ゆーさんの空

日頃考えてる事をつれづれなるままに書き記す場所

死に山-ディアドロフ峠遭難事件を読んで

最近、ビジネス書や自己啓発本ばかり読んでいたので、自分の中の知識がかなり偏ったものになってしまっていると感じていた。なので、普通ならまず読まないであろうジャンルを読んでみようとネットを漁っていたら、こんな記事を見つけた。

 

ディアトロフ峠事件の真相に迫る『死に山』は、失われた冒険心に火をつけてくれる魂の一冊だからみんな読んで。 - Everything you've ever Dreamed

 

あらすじはこの人が大体書いているので、読んでもらったらいいけど、ざっくり言うと、「50年以上も前に旧ソ連で起きた雪山登山者9人の謎の死の真相を暴こうとする1人のアメリカ人の物語とその真相(らしきもの)。」だ。

 

僕の心がすさんでるのか、本が好きではないからなのかはわからないが、この人の言うような「冒険心をくすぐる」感覚は持てなかった。

 

ただ、旧ソ連という国に住む国民に対するイメージは少しは変わったと思う。

ソ連というと現在のロシアだが、共産主義が支配していた国というのはどうも北朝鮮や中国を連想してしまい、生きづらい世界なのかなと思ってしまっていた。

 

しかし、登山者である学生たちとその過程で登場する周辺の人達が実に魅力的に見えた。夜には歌を歌い、議論をし、貧しいながらも心は豊かである。

 

現代の物質的に豊かであるけれど、心がすさむ、貧しい世界と重ねてしまって少し羨ましかった。

 

ただ、これは僕の学生時代から今にかけて本当に熱中した何かがもしあったなら、それに惹きつけられる様な人も周りにいたかもしれない。だから、これに関してはなんとも言えないけれど。

 

また、後半の真相を暴いていく過程は非常に面白くどんどん読み進めていくことができた。

 

シャーロックホームズのフレーズを引用し、推理小説ばりに原因を一つ一つ切っていく。合理性の無いものや可能性の極めて低いものを削除していき残ったものが真理であるという方法である。

 

この過程は、過去の文献やインタビュー、そして自分で現地を訪れて得た情報を元にしながら行っている。読んでいくうちに、警察や多くの他の人が半世紀もの間、成し得なかった真相解明をしてくれるのか?!とワクワクしながらいっきに読んだ。なんだか、ゲーム逆転裁判で犯人を追い詰めていく過程の様でスリリングであった。

 

ただ、最後の結論としては言われる様に地味であるし、少々がっかり感はある。

しかし、この著書の行動力と粘りの調査には脱帽するし、ひとつの結論の様なものを導き出せたのは本当に凄いと思う。

 

 

それじゃあ、また。